第156回研究談話会を下記の要領にて開催いたします。どうぞお誘いあわせの上、多数お集まり下さいます様ご案内申し上げます。
◆日時:1月21日(土)午後4時〜6時
◆場所:藤女子大学(札幌市北区北16条西2丁目)新館5階 558室
*交通案内:地下鉄南北線「北18条前」下車、徒歩5分
▼題 目:「私は流れるものすべてを愛する」
——ヘンリー・ミラー『北回帰線』における流れの場としての身体と都市
▼発表者:井出 達郎氏(北海道大学大学院)
▼司 会:上西 哲雄氏(東京工業大学)
▼趣旨:
『南回帰線』のエピグラフ「卵巣の市電に乗って」に典型的にみるように、ヘンリー・ミラーの一般的なイメージは、身体性を猥褻的に強調する作家というものだろう。しかし、この標準的な見方は、ミラーに真に特徴的なものを見落としてしまう。このエピグラフで真に特徴的なもの、それは、卵巣という身体の一器官(organ)が、市電という都市の一機関(organ)と結びつけられている点である。この点に注目して彼の作品群を読むと、身体を都市のように描く場面、また都市を身体のように描く場面が多いことに気づく。では、なぜミラーは身体と都市を結びつけて描くのか。
今発表は、ミラーの実質的な処女作である『北回帰線』(1934年)を取りあげ、ミラーにおける身体と都市の結びつきの問題に対して、彼が二つの場所を同じ流れの場として描こうとしている、という解釈を提示する。もともと身体と都市は、近代以降、隅々にまで名称=住所が割り振られ、秩序のもとに編成されること(organization)によって、権力が強力に働きかける場所として今なおあり続けている。ミラーのテクストから立ち上がってくるのは、そうした名称=住所の秩序化による区分線を解体し、固定的に分節化された場所を流動化させようとする衝動である。その流れの場に、あたかも細胞分裂を始める卵(らん)のように、さまざまなものに生成する可能性を見出して力強く肯定すること、ミラーの最初の作品である『北回帰線』は、後続の作品群を貫く身体と都市の問題に、そうした衝動を胚胎させたテクストとしてある。
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