1. 新刊書
  2. 植月惠一郎・山木聖史編著. 『英米文学における〈危機〉を読み解く ダモクレスの剣の変容』 音羽書房鶴見書店, 2025. 3. 15. A5判xii+392頁, 4,200

植月惠一郎・山木聖史編著. 『英米文学における〈危機〉を読み解く ダモクレスの剣の変容』 音羽書房鶴見書店, 2025. 3. 15. A5判xii+392頁, 4,200

概要

17名の著者がその専門分野で、「危機」をテーマとした、あるいはそれと関連した英米文学作品を論じる。17編の論考は感染症、戦争、環境、食糧・エネルギー、ジェンダー・人種、内面、宗教、分断の八つの〈危機〉に分類し収録。

目次

まえがき・・・・・・・・・・・・・・植月 惠一郎


Ⅰ 感染症の危機とイギリス近代


1 危機的な時代を生きる


ロバート・ヘリックと病 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・古河 美喜子


2 疫病の危機とプロテスタントのエートス


ダニエル・デフォー 『疫病の年の記録』 のリアリティ・・・・・・・・山木 聖史


Ⅱ 戦争の危機と二〇世紀アメリカ


1 ライ麦畑を語らせて


サリンジャーがホールデンに戦争という危機的体験を通して託したもの・・関戸 冬彦


2 戦争とテロの危機に詩はどのように対峙してきたか ・・・・・・・・・・高橋 綾子


Ⅲ 環境の危機と東洋と西洋


1 人類滅亡の危機とラフカディオ・ハーンの 『怪談』


死者・鳥・虫・樹木と共生する神道的世界観 ・・・・・・・・・・・・・横山 孝一


2 地球に人がいなくなった時


  環境危機とテッド・ヒューズ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・金津 和美


Ⅳ 食糧危機・エネルギー不安の危機感と英米文学


1 危機における子供たち


アイルランド大飢饉を扱った子供向け歴史小説 『サンザシの木の下に』・・久保 陽子


2 石油美学


  地球の危機にロード・ナラティヴを再読する・・・・・・・・・・・・・・鈴木 章能


Ⅴ ジェンダー・人種の危機と文学および哲学


1「母なる大地」 の呪縛


  歪められた母性がもたらす危機を乗り越えるために・・・・・・・・・・山﨑 亮介


2 危機下における共闘


ウォルター・モズリィの 『赤い死』 と人種の境界線・・・・・・・・・・平沼 公子


3 危機回避としてのホモネス


  ベルサーニ/フィリップス 『親密性』 を読む・・・・・・・・・・・・・関 修


Ⅵ 内面の危機と近代イギリス小説


1 二元論的思想から読み取る精神的な危機


エミリ・ブロンテの場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・工藤 由布子


2〈自然=真なるもの〉 を見ようとしない 「夢遊病者」


哲学的 「危機」 を告げるハーディの 〈有〉 への問い・・・・・・・鳥飼 真人




Ⅶ 宗教の危機とイギリス近現代


1 サミュエル・テイラー・コウルリッジと福


信仰の危機の時代に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・直原 典子


2 アイデンティティの危機に直面するカトリック教徒たち


デイヴィッド・ロッジ 『どこまで行けるか』 と現代のカトリック小説・・常名朗央


Ⅷ 分断の危機と文学と文化


1 危機から生まれる協働社会


グレイの 『ラナーク』 と 『歴史を作る者』・・・・・・・・・・・・・照屋 由佳


2 文化の危機


「盗用」 (appropriation) 考・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・植月 惠一郎


あとがき・・・・・・・・・・・山木聖史