概要
18世紀末〜20世紀後半まで、女性作家13名の作品を取り上げ、伝統的に男性のものとされてきた「冒険」をテーマに、アメリカ女性作家の作品を読み直す。
──現実の冒険から知的冒険、想像上の冒険まで──
女性作家たちはどのような新しい領域を切り開き、女性に閉ざされてきた世界への扉を開けようとしたのか。
目次
第I部 新しい世界を切り拓く女性作家たち
第1章 新しいメロドラマの創出
──ローソン『シャーロット・テンプル』
(野口啓子/津田塾大学名誉教授)
第2章 ヨーロッパから革命の戦乱を伝える
──フラー「海外特派員報告」
(伊藤淑子/大正大学教授)
第3章 ヒロインは二度殺される
──オルコット『長く宿命的な愛の追跡』
(羽澄直子/名古屋女子大学教授)
第4章 ワーグナーを聴く女性たち
──ショパン『目覚め』
(相木裕史/津田塾大学専任講師)
第5章 烈しく攻むる作家は冒険に挑む
──オコナーの短編小説を中心に
(渡辺佳余子/元東京成徳短期大学教授)
第6章 女性科学者の文明社会への申し立て
──カーソン『沈黙の春』と
『センス・オブ・ワンダー』を中心に
(西尾ななえ/神奈川大学非常勤講師)
第II部 「男の世界」に挑むヒロインたち
第7章 フェミニストの南北戦争
──サウスワース『ブリトマート』
(山口ヨシ子/神奈川大学名誉教授)
第8章 医師を目指す少女の旅
──ジュエット『田舎医師』
(須藤彩子/中央大学非常勤講師)
第9章 大地からの祝福と赦し
──キャザー『おお、開拓者たちよ!』
(小倉 咲/東邦大学専任講師)
第10章 未来に希望を託すヒロイン
──グラスゴー『不毛の大地』
(大西由里子/言語文化研究所客員研究員)
第11章 実業家として新境地を切り拓く女性
──ミッチェル『風と共に去りぬ』
(矢島里奈/言語文化研究所客員研究員)
第12章 伝説の女武者からストーリー・テラーへ
──キングストン『チャイナタウンの女武者』
(池野みさお/津田塾大学教授)
第13章 痛みを超えた探求
──モリスン『ビラヴィド』
(片山里沙子/津田塾大学大学院生)