概要
ミドルクラスの白人で異性愛の男という地位への抗い。男らしさの諸相を描き続け、男らしさを覇権的な理念に固定させまいとした作家への新照射。
オルタナティブなものが存立する可能性に目を向けようとはせずに特定の規範を押し付けてくる社会への抵抗の書。目次
序章
第1章 トンモとは何者か―『タイピー』における男の主体
第2章 身体の傷と男の主体―『ホワイト・ジャケット』における男らしさ
第3章 畏怖される男―『白鯨』におけるエイハブの主体
第4章 クィークェグの不定形の男性像―『白鯨』における男らしさのオルタナティブ
第5章 ピエール・グレンディニングの性―『ピエール』における曖昧なもの
第6章 ケアが揺るがす男らしさ―「ベニト・セレノ」における男のケア
第7章 「平和の使者」と彼を取り巻く男たち―『水夫ビリー・バッド』における男らしさの混乱
終章