1. 新刊書
  2. 金澤淳子著, 『エミリ・ディキンスンの南北戦争』 音羽書房鶴見書店, 2021. 2. 25. A5判iv+234頁, 3,000

金澤淳子著, 『エミリ・ディキンスンの南北戦争』 音羽書房鶴見書店, 2021. 2. 25. A5判iv+234頁, 3,000

概要

ディキンスンは動乱の時代からどれほどの影響を受けたのか、そしてどのように内なる思索へと踏み込んでいったのか。ディキンスンの「詩」の言葉を、その時代に置いて読むことにより、ディキンスンの詩の本質と新たな読みの可能性を探る。

目次

はじめに

 

第1章 「大佐」 ヒギンスンへ─南北戦争中の文通を読む

文通の始まり

「若き投稿者への手紙」と戦争

「斜めの場所」をめぐって

ディキンスンと「信仰」

死の淵からの帰還

詩人の立脚点

 

第2章 定期刊行物の戦争詩

北軍系新聞紙面のディキンスンの詩

ジュリア・ウォード・ハウの戦争詩

訃報を伝えるディキンスン

ディキンスンの「戦いの詩」

ルイザ・メイ・オルコットの『256病院点描』

 

第3章 「読者」に「送られた」詩

19 世紀アメリカ詩と雑誌

南北戦争期のふたつの詩群

「送られた 詩

 

第4章 「送られなかった」詩

「苦悩」 するディキンスン

フレイザー・スターンズに通じる詩

母と息子の詩

戦場の詩

つながる・つながらない─ディキンスンの両面性

 

第5章 戦争前の「戦いの詩」

戦争前の「戦いの詩」

『天路歴程』と報酬

ふたりのアマスト詩人

逆説の展開

言葉の力

戦争前夜のディキンスン

 

第6章 声なき者たちの声─ディキンスンと「殉教者たち」

ディキンスンとブラウン

政治を語るディキンスン

「殉教者」の歩み

「殉教詩人」の仕事

 

第7章 言葉の軌跡

「苦悩」の記録

戦争中のボストン滞在

詩の記録と回覧の変化

詩人の挑戦

 

結び

 

補遺 南北戦争とディキンスン関連先行研究

 

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