1. 新刊書
  2. 小倉いずみ著, 『トマス・フッカーとコネチカット』 金星堂, 2020. 2. 29. A5判xlii+396頁, 5,400

小倉いずみ著, 『トマス・フッカーとコネチカット』 金星堂, 2020. 2. 29. A5判xlii+396頁, 5,400

概要

本書はコネチカット植民地を創設したトマス・フッカーの伝記をベースにアメリカの理念を形成した宗教と民主主義を分析する。苛酷な荒野におけるピューリタン社会の対立と融和、「南海」と呼ばれた太平洋への開拓を中心に、アメリカ独立革命にいたるコネチカットの伝統と革新、野心をたどる。

目次

はじめに

第1章 勅許状と新大陸の領土
 I.     英国国王から与えられた勅許状
   II.    マサチューセッツ湾植民地と勅許状
  III.    勅許状における法人本部所在地の欠如
  IV.    アメリカへの移住とマサチューセッツ湾会社からの配当金

第2章 トマス・フッカーと新大陸への道(1633)
 I.     トマス・フッカーとアムステルダム英国改革派教会
   II.    「ジョン・ペイジェットの20個の質問」
  III.    オランダからアメリカに出発

 第3章 コネチカット植民地の創設(1636)
   I.      ウォリック・パテントとコネチカット植民地の創設    
   II.     オランダ領ニューアムステルダムとコネチカット
   III.    プロプライアター(大地主)と居住民(公民)


第4章 フッカーのハートフォード移住(1636)
 I.     ハートフォード移住に関する政治的背景
   II.    ジョン・コットンとの対立と宗教的背景
  III.    マサチューセッツにおける執政官の裁量権について
  IV.    マサチューセッツにおける「裁量権」の限界

第5章 コネチカット植民地とピーコット戦争(1636-38)
 I.     ピーコット戦争の背景と記録
   II.  ミスティック砦への攻撃と戦後処理

第6章 コネチカット基本法(1639)
 I.     二つのハートフォード説教    
   II.    コネチカット基本法
   III.   1662年の勅許状とニューイングランド・ドミニオン(1686)

第7章 フッカー『教会規律の概要』(1648)

   I.      政治と宗教における契約思想

   II.     教会員からのボトム・アップの思想

   III.   フッカーの保守性:牧師の権限と協会員の「自発的な服従」

   IV.   『教会規律の概要』における政教分離
   V.     コネチカットとマサチューセッツにおける思想の共通点

第8章 啓蒙主義への変貌
 I.     アメリカにおける啓蒙主義
   II.    過渡期の宗教としての理神論

第9章 植民地時代からアメリカ独立革命へ——最初のアメリカ合衆国地図
 I.     アメリカ独立時における各州の北西部領土争い
   II.    Abel Buellによる最初のアメリカ合衆国地図
   III.    北西部条例(1787)とルイジアナ購入(1803)

資料集
年表
あとがき
参考文献