1. 新刊書
  2. 波戸岡景太著, 『映画ノベライゼーションの世界 スクリーンから小説へ』 小鳥遊書房, 2020. 2. 15. 四六判198頁, 2,000

波戸岡景太著, 『映画ノベライゼーションの世界 スクリーンから小説へ』 小鳥遊書房, 2020. 2. 15. 四六判198頁, 2,000

概要

アダプテーション論の最前線へ!

ウディ・アレン、アーサー・C・クラーク、スーザン・ソンタグらに疎まれ、業界ではノベルではなく、ノベルティとして扱われてきた映画ノベライゼーション作品。

しかし、およそ100年間にわたるその歴史をひもとくならば、もはやノベライゼーションを抜きにして、映画は語れなくなるだろう。

《ノベライズ》が読みたくなる、あの名作をもう一度観たくなる、偉大なるノベライゼーションの世界へようこそ!


 

目次

序章 ウディ・アレンはノベライゼーションがお嫌い
 作家の反論、プロデューサーの説得
 一九七〇年代のノベライゼーション・ブーム
 豊穣なる映画ノベライゼーションの世界

第1章 ノベライゼーションの夜明け
 文化的トランスレーションとしての機能
 テア・フォン・ハルボウとアニタ・ルースの翻訳紹介
 『キング・コング』は誰のもの
 『ゴジラ』と原作者の距離

第2章 小説化するゴジラたち
 『ゴジラ』、さらなるノベライゼーションへ
 一九五〇年代のリアルはどこにあるのか
 「歴史化」されるゴジラ
 ハリウッドのノベライゼーション
 「ゴジラ」か「ガッズィラ」か

第3章 『勝手にしやがれ』はどこまで勝手にできるか
 ソンタグのゴダール
 映画愛とキャンプは両立するか

 リメイクとノベライゼーション

 賢い裏切りと愚鈍な忠誠:『勝手にしやがれ』と『ブレスレス』

 

第4章 ノベライゼーションの黄金期

 ノベライゼーション・バブル

 アダプテーションとノベライゼーション

 いかにして小説版『ジョーズ2』は映画本編を凌いだか

 小説『オーメン』の完成

 

第5章 ノベライゼーションの現実

 コラボレーションの取り分:ノベライゼーションとオリジナル・ストーリーの違い

 『スター・ウォーズ』の拡張宇宙とビックバン

 ゴーストライティングの依頼

 複数のノベライゼーション︱︱英米の『カプリコン・1』

 主人公の名前が変わるとき︱︱『トータル・リコール』の紆余曲折

 一九七九年の脚本

 

第6章 『かいじゅうたちのいるところ』を探して

 ワイルド・シングズとは誰か

 「かいじゅうたち」の映画化と小説化

 アダプテーションとしてのノベライゼーション

 センダックとの対立

 オオカミ少年、ビースト、そしてカエル目の男

 毛むくじゃらのノベライゼーション

 

第7章 メタ・ノベライゼーションのすすめ

 ポストモダン文学の「映画小説」

 《二十四時間サイコ》の映像体験

 デリーロの「メタ・ノベライゼーション」

 ロバート・クーヴァーの実践

 解放される「鳥たち」

 

終 章 グレート・ノベライゼーションの夢

 2001年ノベライゼーションの旅

 主人と従者

 ノベライゼーションは「国民文学」に抗する

 グレート・アメリカン・ノベライゼーション

 現代日本のノベライゼーション

 

【年表】ノベライゼーション抄史


あとがき