概要
アダプテーション論の最前線へ!
ウディ・アレン、アーサー・C・クラーク、スーザン・ソンタグらに疎まれ、業界ではノベルではなく、ノベルティとして扱われてきた映画ノベライゼーション作品。
しかし、およそ100年間にわたるその歴史をひもとくならば、もはやノベライゼーションを抜きにして、映画は語れなくなるだろう。
《ノベライズ》が読みたくなる、あの名作をもう一度観たくなる、偉大なるノベライゼーションの世界へようこそ!
目次
リメイクとノベライゼーション
賢い裏切りと愚鈍な忠誠:『勝手にしやがれ』と『ブレスレス』
第4章 ノベライゼーションの黄金期
ノベライゼーション・バブル
アダプテーションとノベライゼーション
いかにして小説版『ジョーズ2』は映画本編を凌いだか
小説『オーメン』の完成
第5章 ノベライゼーションの現実
コラボレーションの取り分:ノベライゼーションとオリジナル・ストーリーの違い
『スター・ウォーズ』の拡張宇宙とビックバン
ゴーストライティングの依頼
複数のノベライゼーション︱︱英米の『カプリコン・1』
主人公の名前が変わるとき︱︱『トータル・リコール』の紆余曲折
一九七九年の脚本
第6章 『かいじゅうたちのいるところ』を探して
ワイルド・シングズとは誰か
「かいじゅうたち」の映画化と小説化
アダプテーションとしてのノベライゼーション
センダックとの対立
オオカミ少年、ビースト、そしてカエル目の男
毛むくじゃらのノベライゼーション
第7章 メタ・ノベライゼーションのすすめ
ポストモダン文学の「映画小説」
《二十四時間サイコ》の映像体験
デリーロの「メタ・ノベライゼーション」
ロバート・クーヴァーの実践
解放される「鳥たち」
終 章 グレート・ノベライゼーションの夢
2001年ノベライゼーションの旅
主人と従者
ノベライゼーションは「国民文学」に抗する
グレート・アメリカン・ノベライゼーション
現代日本のノベライゼーション
【年表】ノベライゼーション抄史