概要
生きづらいこの世界をどう生きればいいのか。
強く生きなくていい。でもそれではどう生きればいい?
ほんとうは人生に「勝ち組」も「負け組」もなく、
誰も〈敗者〉ではないということを、文学はいつも告げています。
本書で紹介するアメリカ文学(ロックや映画にまつわる章もあります)は以下の通り。
カポーティ、フォークナー、ギンズバーグ、ルー・リード、
ボブ・ディラン、ジャームッシュ、ブコウスキーから、
メルヴィル、ポー、ホーソーン、ソロー、ディキンスン、ホイットマンまで……。目次
【主な目次】
はじめに
Ⅰ
『遠い声 遠い部屋』 何者でもないわたしへ
フォークナーの振り切れない人びと
ギンズバーグは「カディッシュ」
ボブ・ディラン——自己を他者化するパフォーマー
ルー・リード——落ちゆく者の落ちなさ
真剣な気晴らし——ブコウスキーの死のかわし方
J・Jの詩学——ここからここへ(『パターソン』→『デッドマン』→『パターソン』)
Ⅱ
『白鯨』——震災後のまなざしで読み直す
エドガー・アラン・ポーについて
『緋文字』のホーソーンのまなざし
『ウォールデン』——宇宙の一点に仮住まいする雄鶏の声
フラジャイル・ホイットマン
苦悩と狭さから——ディキンスンを読む