概要
ヒッピーは、いつあらわれ、どこからやってきたのか……。
ソロー、エマソン、ポー、ヘミングウェイ、ヘンリー・ミラー、サローヤン、ヴォネガット、ウッドストック世代、プレスリー、ソロー・リバイバル、ナット・ターナー、ニルヴァーナ、バーニングマン…など、1960年代のアメリカに湧き上がったアメリカの対抗文化(カウンター・カルチャー)とともに、その諸先輩たちの思想、そして、継承されるヒッピー世代を文学作品などを通して再検討する。目次
序章(中山悟視)
第Ⅰ部:反逆と文学、反逆の文学
1章.超越主義の伝統と音楽的身体の共振——『オン・ザ・ロード』からソローへ(小椋道晃)
2章.エマソンとヒッピーとの共振点——反権威主義と信仰(亀山博之)
3章.<文化>への不満としてのポー——南部、ケルト、アメリカ文学史の形成(貞廣真紀)
4章.「壁に掛けられない絵」から「出版できない真実」へ——ヘミングウェイで測る対抗と主流の距離(大森昭生)
5章.流れと対抗——ヘンリー・ミラーの「エンカウンター」という試み(井出達郎)
6章.ウィリアム・サローヤンとヒッピー文化——「美しい白い馬の夏」を読む(舌津智之)
7章.ヒッピーと笑い——ヴォネガットが愛したドタバタ喜劇(中山悟視)
第Ⅱ部:抵抗とメディア、抵抗のメディア
8章.ウッドストック世代のロックとその先輩たち(村上東)
9章.エルビス・プレスリーの文化的定位(飯田清志)
10章.デッド・エンド、バッド・シーズ——『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』と対抗文化の政治学(塚田幸光)
11章.ソロー・リバイバルと対抗文化の作法——アメリカ精神文化の想像力(中垣恒太郎)
12章.ナット・ターナーは再復活されうるか?——ネイト・パーカーの『バース・オブ・ネイション』を巡る騒動とその顛末(白川恵子)
継承されるヒッピー文化