1. 新刊書
  2. 吉川朗子+川津雅江編著, 『トランスアトランティック・エコロジー ロマン主義を語り直す』 彩流社, 2019. 10. 20. 305+13頁, 3,500

吉川朗子+川津雅江編著, 『トランスアトランティック・エコロジー ロマン主義を語り直す』 彩流社, 2019. 10. 20. 305+13頁, 3,500

概要

地球規模の環境問題が深刻化する現在、進展めざましい「エコクリティシズム」に、環大西洋的(トランスアトランティック)交流の視点を導入。

エコロジー思想の源泉のひとつ、イギリス・ロマン主義とアメリカのロマン主義(アメリカン・ルネサンス)の環境文学・環境思想の相互作用、浸透を分析。

20世紀以降の自然保護運動や環境意識に与えた影響、現代の環境批評に繋がる観点を捉える。


目次

第1部 環大西洋の言語空間──自然・精神・歴史

第1章 「見えざる世界の証明」

  ──スヴェーデンボリ、ブレイク、エマソン

(鈴木雅之/京都大学名誉教授・宮城学院女子大学学芸学部特命教授)

第2章 「歴史」の解体

  ──エマソンの自然像と環大西洋思想の文脈

(成田雅彦/専修大学経営学部教授)

第3章 トランスアトランティックな遡行とエコロジカルな再生

  ──メルヴィルの小説におけるアメリカ独立革命

(竹内勝徳/鹿児島大学法文学部教授)

 

第2部 物語る自然のトランスアトランティックな共鳴

第4章 ミルトン、コウルリッジ、ソロー

  ──レテの川から難破の浜辺へ

(伊藤詔子/広島大学名誉教授)

第5章 ワーズワスからソローへ

  ──「躍動する物質」のロマン主義的系譜

(小口一郎/大阪大学大学院言語文化研究科教授)

第6章 破局のエコノミー

  ──クレアとソローの自然史

(金津和美/同志社大学文学部教授)

第7章 メルヴィルとマテリアル・エコクリティシズム

  ──トランスアトランティックに捉えるその創造性

(藤江啓子/愛媛大学名誉教授)

 

第3部 自然と人の持続可能な関係性に向けて

第8章 環大西洋の田園共和主義と北方の原野

  ──ウルストンクラフトの環境意識

(川津雅江)

第9章 鯨のエコロジー

  ──『白鯨』のテクノロジーとエコノミー

(植月惠一郎/日本大学芸術学部教授)

第10章 楽しむ心を持つすべての人に

  ──風景観光・歩行の詩学・自然保護

(吉川朗子)

 

コーダ

経験主義、情報管理、環境人文学

(スコット・スロヴィック/

アイダホ大学教授、ASLE機関誌ISLE編集長

【大野美砂(東京海洋大学学術研究院准教授)訳】)