1. 新刊書
  2. 永野良博, 『トマス・ピンチョン 帝国、戦争、システム、そして選びに与れぬ者の生』 三修社, 2019. 7. 30. 266頁, 2,500

永野良博, 『トマス・ピンチョン 帝国、戦争、システム、そして選びに与れぬ者の生』 三修社, 2019. 7. 30. 266頁, 2,500

概要

ピンチョンが描き出す越境的彷徨の軌跡

『V.』『メイスン&ディクスン』『重力の虹』等ピンチョンの長編、中編作品のなかで扱われる、越境的な想像力が描き出す近代化と現代の様相を読み解く。また、主流派から排除された選びに与れぬ者たちの系譜とシステムに抗う生について論じる。

巻末には、簡明な説明を付した、豊富な文献リストを掲載。


目次

第1章 出発——『プレイヤー・ピアノ』と『タイタンの妖女』

ヴォネガットとSF

『プレイヤー・ピアノ』——「移行期」のディストピア小説

『タイタンの妖女』——SFエンターテインメント?

第2章 飛躍——『母なる夜』から『スローターハウス5』まで

トラウマに向かって

『母なる夜』——語り得ない罪、罪深い「ロマンス」

『猫のゆりかご』——彼はいかにしてボコノン教徒になったか

『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』——亀裂の入った風刺文学

『スローターハウス5』——「わたしはそこにいた」

第3章 迷走——『チャンピオンたちの朝食』から『ジェイルバード』まで

成功のあとで

『チャンピオンたちの朝食』——「切実」なメタフィクション

『スラップスティック』——薬漬けのユートピア

『ジェイルバード』——凡庸な社会主義シンパサイザーの肖像

第4章 成熟——『デッドアイ・ディック』から『青ひげ』まで

キャリアの総括

『デッドアイ・ディック』——傍観者の罪意識

『ガラパゴスの箱舟』——「人間」から遠く離れて

『青ひげ』——トラウマと芸術

第5章 終着——『ホーカス・ポーカス』と『タイムクエイク』

トラウマの先へ

『ホーカス・ポーカス』——ベトナム帰還兵の教え

『タイムクエイク』——作家人生の肯定

 

あとがき

年譜
キーワード集
文献リスト
索引