概要
[これまでトウェインの女性描写は凡庸だとされ、作品研究で重きをなすことがなかった]脇役の女性たちに初めて光を当て、彼女たちの意義を論じるのが、本書の目的である。(序論より)
第一章 唯一の女性主人公ジャンヌ・ダルク——「悲劇のヒロイン」にみる偶像文化とアメリカ建国神話
第二章 遺体への眼差しが変わるとき——「はかなき乙女」から人体解剖図まで
第三章 『ハックルベリー・フィンの冒険』の続編と未完作品のヒロインたち——記憶と深層心理を探る旅
第四章 女たちの見えざる闘い——南部決闘文化とダブルスタンダード
第五章 女性たちの声は盗み聞くほかない——文学における女性口語の問題
第六章 笑わない女性たち——マーク・トウェインのユーモア話とジェンダー
第七章 女主人ミス・ワトソンとダグラス未亡人——黒人奴隷ジムとの危うい関係
結び