概要
20世紀前半の代表的モダニズム作家たちの広報活動とセレブリティ化、そしてその影に追いやられた作家たち—アメリカン・モダニズムはいかに大衆文学の要素を取り入れ、時代の欲望/表象をとらえたか。九つの刺激的論考。
目次
序—アメリカン・モダニズムと大衆文学のつながり(藤野 功一)
ガートルード・スタインとセレブリティ・モダニズム(早瀬 博範)
ゼルダ・フィッツジェラルドの決定不可能なテクスト—「百万長者の娘」のモダニズム性(高橋 美知子)
F・スコット・フィッツジェラルドと第一次世界大戦—大衆性・アイロニー・モダニズム(千代田 夏夫)
優生学とヘミングウェイ—人種的レトリックの「大衆」戦略(中村 嘉雄)
メディアへの愛—ミドルレッド・ギルマンの『ソブ・シスター』とウィリアム・フォークナーの『サンクチュアリ』(藤野 功一)
フォークナー再売り出し—『ポータブル・フォークナー』成功の意味(樋渡 真理子)
「大衆」とフォト・テクスト—ニューディール、エイジー、文化の政治学(塚田 幸光)
人種を語る自伝的言語の構築—『ブラック・ボーイ』/『アメリカの飢え』における「リチャード・ライト」の位置(永尾 悟)
ラルフ・エリスンのモダニズムと大衆文学・文化(山下 昇)
あとがき