概要
2018年5月に逝去した「最も偉大なアメリカ作家の一人」、フィリップ・ロス。
豊かな物語性の中で、市井の個人の視点で鋭く「アメリカ」と対峙し、深層を抉ったロス。
ことに成熟度を増した後期作品群を中心に論じた、本邦初の“ロス研究書”。
目次
はじめに フィリップ・ロスの死
序章 アメリカを語る(ユダヤ系)アメリカ作家
第一章 パストラルを求めて——『カウンターライフ』
第二章 起源の地にて——『オペレーション・シャイロック』
第三章 居場所の問題——『サバスの劇場』
第四章 想像力と創造性——『アメリカン・パストラル』
第五章 裏切りと純粋さ——『私は共産主義者と結婚していた』
第六章 個人と共同体——『ヒューマン・ステイン』
第七章 「小さな物語」の記憶——『プロット・アゲインスト・アメリカ』
第八章 作家の老いをめぐって——『ゴースト退場』
第九章 「見えない矢」を語る——『ネメシス』
終章 「プロット・アゲインスト・アメリカ』
あとがき