1. 新刊書
  2. 山口和彦、中谷崇編. 『揺れ動く〈保守〉 現代アメリカ文学と社会』 春風社, 2018. 9. 13. 324+xi頁, 3,500

山口和彦、中谷崇編. 『揺れ動く〈保守〉 現代アメリカ文学と社会』 春風社, 2018. 9. 13. 324+xi頁, 3,500

概要

トランプ現象に見られる混迷と分裂の時代に、文学はどう対峙するのか?

トニ・モリスンからドン・デリーロまで、現代アメリカ文学に描かれた「保守」なるものの諸相について多角的に考察する。


目次

はしがき—トランプ現象と、現代アメリカ文学の「保守(性)」について語ること【山口和彦】

1 姉妹の選択—モリスンの『ホーム』にみる「保守」としてのセルフ・ヘルプ【深瀬有希子】

2 ニューディールと「保守」の倫理—コーマック・マッカーシーの『果樹園の守り手』における市民的反抗の精神【山口和彦】

3 失われた学費—ウィラ・キャザー「オールド・ミセス・ハリス」と左派批評【山本洋平】

4 老兵死す—ヘミングウェイの『河を渡って木立の中へ』と冷戦【辻秀雄】

5 ジョン・オカダ『ノー・ノー・ボーイ』論—アメリカ社会の主流とマイノリティの境界【安原義博】

6 ブルース・スプリングスティーンの複眼的視線—デューイ、スタインベック、ガスリー、そしてスプリングスティーンへ【遠藤朋之】

7 カーソン・マッカラーズと少女の夢—『結婚式のメンバー』における保守とリベラル【佐々木真理】

8 冷戦終結とジョン・アップダイク的中産階級の変質—9・11後のネオコンとネオリベラリズムの時代への応答【中谷崇】

9 戯れるアトムとイヴ—ボビー・アン・メイソンの南部原発小説『アトミック・ロマンス』【渡邉真理子】

10 囁き続ける水滴—ドン・デリーロ『ゼロK』における「生命の保守」【渡邉克昭】

あとがき—「ネオコン」と「ネオリベラリズム」と「ポスト・トゥルース」の時代における「文学」の意義【中谷崇】