概要
「見た目」から「中身」が判断できるのか?
頭蓋、顔貌、衣服、肌の色といった人の外面的要素にさまざまな意味を付与し、あるいは政治化して表象した文学作品を読み解く。
目次
序章 「リアリズム」≒「リアル」—「地上的」なものとしての一九世紀末アメリカ文学
第一章 「彼ら」の顔と「我々」の顔—『シーザーの記念柱』と信頼できない「見た目」
第二章 衣服は人を作らない—一八九〇年のアルジャー作品と「美しき犯罪者」言説
第三章 あるリアリズム作家の「写真」「肖像」—「ザ・リアル・シング」の「リアルさ」
第四章 指紋から「血」へ—『まぬけのウィルソン』の視線の向かう先
第五章 「色」と「血」の政治学—前史
第六章 「色」と「血」の政治学—「有色でない有色人」を巡る作品群と、不可視の「人種」性
第七章 「迫真」のドキュメンタリーは何を伝えたのか—クレイン、ロンドン、シンクレアの「共犯」
結章 人の外見の終わりなき政治化