1. 新刊書
  2. 高野泰志著. 『下半身から読むアメリカ文学』 松籟社, 2018. 3. 15. 四六版403頁, 2,800

高野泰志著. 『下半身から読むアメリカ文学』 松籟社, 2018. 3. 15. 四六版403頁, 2,800

概要

19世紀のポー、ホーソーン、メルヴィルから、ヘンリー・ジェイムズ、フランク・ノリス、20世紀のヘミングェイ、フィッツジェラルド、フォークナー、第二次大戦後のカポーティ、サリンジャーにいたる、アメリカ文学史において太文字で特筆される男性作家たち。彼らは、その作品中で女性登場人物にどのような視線を向け、そして彼女たちをどのように描いてきたのか。

視線と欲望、女性のセクシャリティ、身体性といった観点から数々のアメリカ小説を読み直し、男性作家たちが(そして同時代の読者もまた)内面化していた、男性性に基づいた価値観を、そしてその変遷をあとづける。


目次

まえがき

 

第一部 欲望の誕生─覗かれる身体

1.都市の欲望─ポーの推理小説と覗き見の視線

2.さらし台と個室の狭間で─ホーソーンとメタフィクションの試み

3.語り手はなぜ語ったか─閉じ込められる「バートルビー」

4.覗き返す視線─ジェイムズの国際状況小説と都市

 

第二部 陵辱される女たち─欲望する身体

1.性欲の詩学─殺害されるポーの女性たち

2.敷居に立つヘスター・プリン─『緋文字』における性欲の感染

3.欲望の荒野─トウェインのレイプ願望

4.麻酔、マゾヒズム、人種─『マクティーグ』における痛みの認識論

5.素脚を見せるブレット・アシュリー─矛盾する欲望と『日はまた昇る』

6.音のない炎─欲望の象徴としての『サンクチュアリ』

7.近親相姦の時代─『夜はやさし』の欲望を読む

8.創造と陵辱1─『誰がために鐘は鳴る』における性的搾取の戦略

 

第三部 見られる男たち─内なる他者としての身体

1.創造と陵辱2─『河を渡って木立の中へ』における性的搾取の戦略

2.異形の身体─サリンジャー作品に見られる身体へのまなざし

3.冷戦下のカメレオン─トルーマン・カポーティの同化の戦略

4.ポーの見たサイボーグの夢

 

あとがき