概要
北米からカリブ海を経てイギリスへ—異界を求める旅を辿る気鋭の論考10本
目次
「はじめに」(森 有礼)
第一部 北アメリカにおける路と異界
『悪魔のいけにえ』を観るフォークナー——都市伝説、ロード・ナラティブ、『サンクチュアリ』—— (森 有礼)
ランボー、トラウマ、反復強迫——ロード・ナラティヴと〈現実界〉 小原 文衛
空間旅行から時間旅行へ−『フージアの休日』にみるドライサーのアメリカン・パストラリズム− (土屋 陽子)
『ジッピー・ザ・ピンヘッド』における路と異界とビート文化—対抗文化と主流文化の中間的文化 (社河内 友里)
イメージの異境——『パリ、テキサス』とアメリカ的風景の変容 (塚田 幸光)
「もっと遠くまで行けば」——カナダ大西洋州(アトランティック・カナダ)、自動車での移動(オートモビリティ)、そして路(みち)—— (クリストファー・J・アームストロング)
第二部 十九世紀イギリスの路と異界
歴史の果ての異界—メアリー・シェリーの『最後のひとり』 (細川 美苗)
『骨董屋』における彷徨、憑依、異界 (矢次 綾)
第三部 カリブ海を巡る異界
ウナ・マーソン作品における三つの異界——キングストン、ロンドン、ポコマニア (小林英里)
トリニダードの「ごろつき」と新植民地主義—アール・ラヴレイスの『ドラゴンは踊れない』にみるスラム住民たちの闘争の記録— (杉浦清文)
「あとがき」 (小原 文衛)