概要
200年の時を経ても、読者の想像力を刺激し続ける『フランケンシュタイン』。現代の視点から分析・批評する第一部と、演劇・小説・映画・マンガ等、この神話的テクストが生み出してきた多種多様な「翻案・改作(アダプテーション)」をめぐる
第二部で構成。
なぜ、『フランケンシュタイン』は多くの解釈を生み出し、甦り続けるのか、「ですます調」でわかりやすく迫ります!
目次
序章 フランケンシュタインの子供たち【武田 悠一】
第一部 批評
第1章 メアリ・シェリーと菜食主義サークル──怪物の食生活をめぐって川津 雅江/名古屋経済大学教授】
第2章 語られなかった物語──『フランケンシュタイン』と「梅毒」【山﨑 僚子/名古屋学院大学講師】
第3章 『フランケンシュタイン』のおぞましい家族──メアリ・シェリーの怪物的自伝【中村 晴香/京都女子大学非常勤講師】
第4章 モンスターとは誰か?──ポストコロニアル批評と小説『フランケンシュタイン』【山田 幸代/愛知淑徳大学講師】
第5章 カロリーヌの影のもとに──『フランケンシュタイン』における欲望のありか【角田 信恵/岐阜聖徳学園大学教授】
第二部 アダプテーション
第6章 「起源」への問い──『フランケンシュタイン』と〈共感〉の哲学【武田 悠一】
第7章 舞台のうえの怪物──R・B・ピーク『プリザンプション』の異種混淆性【小西 章典/大同大学准教授】
第8章 フランケンシュタイン翻案小説の系譜──SFからポストモダンへ【武田 美保子】
第9章 怪物の花嫁たち──フランケンシュタイン映画史の試み【武田 悠一】
第10章 変容する怪物──マンガにおける『フランケンシュタイン』【角田 信/マンガ研究家】