1. 新刊書
  2. 中西佳世子 『ホーソーンのプロヴィデンス—芸術思想と長編創作の技法—』 開文社, 2017. 12. 20. 四六版iv+290頁, \2,800

中西佳世子 『ホーソーンのプロヴィデンス—芸術思想と長編創作の技法—』 開文社, 2017. 12. 20. 四六版iv+290頁, \2,800

概要

ホーソーンは『旧牧師館の苔』以降、短編から長編へと創作スタイルを移行させたが、そのどの長編ロマンスにもプロヴィデンス(神の摂理)の概念と語が遍在しており、本書はそのプロヴィデンスの文学装置としての有用性とテーマを関連付けて包括的に論じたものである。


目次

序 章 「人間世界の偶然の出来事は神の計画」

      ホーソーンのプロヴィデンス

第一章 『旧牧師館の苔』

      自然の秩序とプロヴィデンス──「二重のナラティヴ」の試み

第二章 『緋文字』

      曖昧性を生み出すプロヴィデンス──幻影と「魔女」

第三章 『七破風の屋敷』

      人間の歴史とプロヴィデンス──呪いの成就と神の計画

第四章 『ブライズデイル・ロマンス』

      —創造主としてのプロヴィデンス──劇場神と酒神のアイロニー

第五章 『大理石の牧神』

      地上を見下ろすプロヴィデンス──二つの「幸運な堕落」

補 章 『フランクリン・ピアス伝』と「主に戦争のことに関して」

      奴隷制と南北戦争のプロヴィデンス

むすび

 

あとがき