概要
著者が本書において主張しようとするのは、アメリカ演劇は十八世紀末の建国直後の初期の時代から南北戦争後の中期の時代を経て現代に至るまで、「アメリカの現実をリアルに映す」というリアリスティックな姿勢こそ、アメリカ演劇の伝統であるというものである。(「はしがき」より)
目次
はしがき
序 アメリカ演劇とその伝統——アメリカ文かと現実至上主義
第一部 書記と中期のアメリカ演劇
第一章 初期のアメリカ演劇(一)——タイラーの『コントラスト』とダンラップの『アンドレ』
第二章 初期のアメリカ演劇(二)——ダンラップの『ナイアガラ旅行』とストーンの『メタモーラ』、カスティスの『ポカホンタス』
第三章 初期のアメリカ演劇(三)——スミスの『酔いどれ』とモウアットの『ファッション』、エイケン脚色の『アンクル・トムの小屋』
第四章 象徴と神話のフロンティア——一八七〇年代のフロンティア劇
第二部 ユージーン・オニール
第五章 文学研究と伝記的資料——ユージーン・オニールの場合
第六章 エドマンドの成熟と喪失——『夜への長い旅路』論
第七章 ユージーン・オニール——リアリズムと反リアリズムの間の揺らぎ
第三部 モダン・アメリカン・ドラマ
第八章 オールビーの『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』とシェパードの『埋められた子ども』にみるアメリカン・ファミリー
第九章 現代アメリカ演劇と音響効果——オニールからライス、ウィリアムズ、ミラーまで
第十章 モダニズムとアメリカ演劇——ライス、オデッツ、ワイルダー、ウィリアムズ、ミラー、オールビー
あとがき