1. 新刊書
  2. 西垣内磨留美・山本伸・馬場聡編 『衣装が語るアメリカ文学』 金星堂, 2017. 3. 31. A5版x+273頁, \2,700

西垣内磨留美・山本伸・馬場聡編 『衣装が語るアメリカ文学』 金星堂, 2017. 3. 31. A5版x+273頁, \2,700

概要

本書は,アメリカ,およびカリブの文学や文化に現れる「衣装」について,「時代の目撃者」,「民族を映す」,「『衣装』という表象」,「あざむく」という章構成のもと,様々な角度から検討したものである。本書を貫くのは,「衣装」という比較的わかりやすいテーマではあるが,一見しただけでは見えにくい表象や事象が,専門の目で探求されている。


目次

序にかえて(西垣内磨留美)

第一章 時代の目撃者

飽和の時代と拘束——『アメリカン・サイコ』に見るウォール街の「衣装」(伊達雅彦)

〈革命〉をデザインする——一九六〇年代アクティヴィズムにおける〈見かけ?〉の政治学(馬場聡)

ユダヤ系アメリカ人と既製服産業——古着販売からアメリカの象徴ジーンズへ(君塚淳一)

書紀アメリカの奴隷の職種と仕事着——トマス・ジェファソンのプランテーションの場合(濱田雅子)

第二章 民族を映す

極北民族イヌイト社会にみる衣装の機能と象徴性(本多俊和〔スチュアート ヘンリ〕)

物語から読み解くチルカット・ブランケット(林千恵子)

マルディグラ・インディアンにみるフードゥーの混合主義[シンクレティズム]——イシュメール・リード『なつかしきニュー御綸子懺悔の三ヶ日』をてがかりとして(峯真衣子)

脱いで始まる、着ずに始めるカーニバルーー内と外から見るカリビアン・アイデンティティ(山本伸)

第三章「衣装」という表象

意匠あるいは衣装としての比喩(西原克政)

象徴としてのズボン——アリス・ウォーカーの『カラー・パープル』(清水菜穂)

雪のなかの豹——ポスト人種的ヴィジョンとトニ・モリスン『神よ、あの子を守りたまえ』(川村亜樹)

第四章 あざむく

隠れて騙る、隠して語る(西垣内磨留美)

ウィニフレッド・イートンの自伝小説『私』におけるファッションとその意味について中地幸

イギリスのなかのカリブ——ポーリン・メルヴィル作品にみる偽装と衣装(君塚由佳)

先住民の衣装と犯罪者の偽装——トニー・ヒラーマンのミステリーを解く(余田真也)

アメリカ喜劇映画における「女装」の文化史(中垣恒太郎)

あとがき(山本伸)