概要
二人の作家の作品におけるヒロインが娘から母になるまでのプロセスに注目し、家父長制社会の「娘」像への影響を考察する。
目次
序章
1 イーディス・ウォートンとセオドア・ドライサー
2 娘から母へ─「妊娠」という分岐点
第一章 母になった娘 『無垢の時代』が描く母系社会
1 空白のページ
2 母系社会
3 メイの妊娠
第二章 父を求める娘 『国の風習』におけるアンディーンの結婚戦略解読
1 父親代理を求めて
2 『アンディーン』と『国の風習』
第三章 母の埋葬、父との結婚 『夏』のヒロイン、チャリティ・ロイヤルの決断
1 パパ・ロイヤル
2 チャリティの妊娠
第四章 天使と娼婦の二面性 ドライサーの『ジェニー・ゲアハート』
1 性と家族
2 「境界侵犯者」としてのジェニー
3 家族の形成と崩壊
第五章 母になれない娘 『アメリカの悲劇』におけるもう一つの悲劇
1 生家からの離脱
2 ロバータの中絶
3 父と夫とその間
終章