概要
フィッツジェラルド『グレート・ギャッツビー』、ジョン・アーヴィング『ガープの世界』、スティーヴ・エリクソン『黒い時計の旅』、ヘンリー・ジェイムズ『デイジー・ミラー』、ヘミングウェイ『日はまた昇る』など、幅広く論じた直球勝負の作品論。日本将棋連盟のプロ棋士養成機関「奨励会」に所属していた著者がアメリカ文学者になるまでの半生を語る将棋エッセイ・観戦記も収録。
目次
第I部
第一章 能動と受動の狭間で──『グレート・ギャッツビー』における語り手の揺らぎ
第二章 若きフィクション作家の肖像──『ガープの世界』論
第三章 隠喩としてのヒトラー──『黒い時計の旅』における三角形的欲望
第四章 「だとすれば、おまえはあまりに罪深いよ!」──『デイジー・ミラー』におけるセクシュアリティの抑圧
第五章 『日はまた昇る』のジェンダー
第六章 ダーク・レディの死とロマンスの死──『ブライズデイル・ロマンス』におけるカヴァデイルのナラティヴ
第七章 “Rider Was One of the McCaslin Negroes"──「黒衣の道化師」におけるライダーの無名性
第八章 「それは男の本だ」──『グレート・ギャツビー』における、フィツジェラルドのダブル・ヴィジョンとニック・キャラウェイのナラティヴ/ジェンダー・ストラテジー
第九章 “There Is No Such Thing as Was"──「昔あった話」とアイザック・ビーチャム・マッキャスリン
第十章 アメリカ現代文学の起源──『ワインズバーグ・オハイオ』再読
第II部
第十一章 人間対コンピュータ
第十二章 王座戦観戦記
第十三章 将棋・文学・アメリカ
第十四章 好きなことを仕事にする
註・引用文献
あとがき