概要
アメリカ革命の産物ともいうべき《合衆国》、そこで芽生えた国民文学の独自性を、11名のアメリカ文学研究者が、種々の革命に連関させながら、その深層/真相を多岐にわたって究明した作家・作品論。
目次
序説 (村山淳彦)
『開拓者たち』——未完の反革命と二つの友愛 (武田宜久)
ポーと「革命」の表象 (水戸俊介)
「島めぐり移動シンポジウム」と革命の主題——『マーディ』再訪 (福士久夫)
『緋文字』——へスター・プリンの変容に見るホーソーンの革命観 (高橋和代)
一九世紀の交通革命と通信革命——エミリィ・ディキンスン、鉄道、電信 (吉田 要)
カラーラインと闘った解放奴隷、ジュビリー・シンガーズ (寺山佳代子)
『コネティカット・ヤンキー』とトウェインの「革命願望」 (井川眞砂)
映画による反革命——『国民の創生』と歴史、人種、メロドラマ (後藤史子)
『誰がために鐘は鳴る』と革命 (村山淳彦)
レイシズムの向うへ——黒人革命とチェスター・ハイムズ (三石庸子)
『Xのアーチ』におけるもうひとつの「アメリカ」と核の想像力 (木下裕太)
あとがきにかえて (アメ労編集委員会)
執筆者紹介
索引