概要
波瀾万丈の生涯を終えたジョン・ブラウンの晩年を中心にして、彼と関係する人たちと当時の精神的・政治的風土、そして彼が後世に与えた影響を照射した日本で最初のジョン・ブラウン研究書。
目次
はしがき
第1章:ハーパーズ・フェリーから南北戦争へ
序
1.「ジョン・ブラウンの屍」という歌
2.妻メアリー・ブラウンのハーパーズ・フェリー
3.ジョン・ブラウン、ヒギンソン、ディキンスン
4.「リパブリック讃歌」とジュリア・ウォード・ハウ
5.潜航するジョン・ブラウン——ジュール・ヴェルヌの南北戦争
コラム①映画の中のジョン・ブラウン
コラム②チャールズ・ディケンズと南北戦争
第2章:ニューイングランドの風土
序
1.死の修辞学
2.ラルフ・ウォルド・エマソンと奴隷解放運動
3.リディア・マリア・チャイルド『ジョン・ブラウン書簡』からの一年——理想主義からリアリズムの想像力へ
4.世界改良のアメリカン・ドリーム——『セプティミアス・フェルトン』再読
5.最近のメルヴィル批評におけるジョン・ブラウン
コラム③ジョン・ブラウンの意志を継ぐ——奴隷叛乱教唆の襲撃から黒人部隊指揮の戦争へ
第3章:ジョン・ブラウンの反響
序
1.W・E・B・デュボイスによる伝記『ジョン・ブラウン』——ブラウンは「殉教の聖人」か「狂信的過激奴隷廃止論者」なのか?
2.南部作家とジョン・ブラウン——ロバート・ペン・ウォレン『ジョン・ブラウン伝』を中心に
3.ジョン・ブラウンの「動く砦」——記憶の変遷とその展示を巡って
4.ジョン・ブラウンと九・一一後のテロリズム
5.お玉杓子はジョン・ブラウンの子——替え歌としての「ジョン・ブラウンの屍」
コラム④ジョン・ブラウンを思い出すこと——元奴隷の証言によるジョン・ブラウン
コラム⑤ジェイムズ・マクブライド『グッド・ロード・バード』——二〇一三年度全米図書賞受賞
あとがき
ジョン・ブラウン年表
索引
執筆者紹介