概要
「老い」を描くフォークナー、
「老い」るフォークナー、
「老い」に抗うフォークナー
その作品中で数多くの老人を描いたウィリアム・フォークナー。
それら「老い」の表象に注目し、フォークナー研究の新たな可能性を探る。
目次
序に代えて フォークナーにおける「老い」の表象 ——その意義と可能性(金澤 哲)
ウィリアム・C・フォークナーとジョン・サートリス ——『土にまみれた旗』における作家としての曽祖父像の不在とその意味(相田洋明)
「老い」の逆説 ——『野生の棕櫚』に見る「老い」のメランコリー(森 有礼)
グッバイ、ローザ ——フォークナー、ニューディール、「老い」の感染——(塚田幸光)
『行け、モーセ』と「老い」の表象 (田中敬子)
狩猟物語の系譜と老いの表象 ——『行け、モーセ』を中心に(梅垣昌子)
第二次世界大戦後のアメリカの不協和音 ——『墓地への侵入者』における「古き老いたるもの」の介入——(松原陽子)
フォークナーのレイト・スタイル ——後期作品におけるメモワール形式と老いのペルソナ(山本裕子)
「老い」の肖像 ——『館』(山下 昇)
あとがき
執筆者紹介
索引