概要
オコナー文学に魅せられて三十数年、詳細な『日本におけるフラナリー・オコナー文献書誌』を含め、既に7冊の研究書を世に問うているオコナー研究の第一人者による最新論考。オコナーの暮した街々を訪れ、生前のオコナーをよく知る人々に直接面会するなど、オコナーを理解するために如何なる労も厭わなかった著者ならではの洞察に溢れた本書は、オコナーの小説世界への恰好の手引きであり、理解深化への導きとなるだろう。
目次
はしがき
第一部:カトリックとして、南部人として
第一章:見えるものから見えざるものへ
第二章:オコナーとカトリック教会
第三章:アメリカにおけるカトリックの歴史と反カトリック感情
第四章:「長引く悪寒」に描かれている聖霊について
第五章:「助ける命は自分のかもしれない」について
第六章:オコナーの描くアメリカ南部
第二部:オコナー研究余滴
第一章:「髙く昇って一点へ」に見られる五セント玉と一セント玉について
第二章:オコナーの登場人物管見
第三章:「バビロンの淫婦」について
第四章:「カトリック作家の役割」を読んで
第三部:オコナーの日記公刊に寄せて
若き日のオコナー:『祈りの記』に寄せて