従来の歴史学や文学は、アメリカの成り立ちや仕組みを、白人・黒人・先住民といった人種や民族で縦割りにして捉えようとしてきた。著者は特定の土地に固有
の、民衆の日常生活・技術・言語にもとづく匿名の実践を包括的に表す概念を用い、まったく新しい景観を読者に提示する。逆境を生き抜く人びとの言葉ブルー
スは、いかにアメリカの文化を形づくったのか。
目次
はしがき
第1章 新しいアメリカ文学史の形成
考古学、イデオロギー、アフロ・アメリカンの言説
第2章 アメリカの発見
ジェネレーション・シフト、アフロ・アメリカン文学批評、表現文化研究
第3章 アメリカの表現形式という夢
虚構の言説、ブラックホール、ブルース・ブック
解説──今福龍太
訳者あとがき──松本昇